cannibaljapan2019.10.18

キャンニバル ジャパン アスリート 稲葉 明子選手(森永製菓) IRONMAN World Championship レースレポート





IRONMAN World Championship 2019.10.13 稲葉 明子 選手 (森永製菓)

キャンニバル ジャパン契約選手 稲葉 明子 選手 (森永製菓)
10月13日に開催された IRONMAN World Championshipに出場しました!

IRONMAN World Championship 
【開催日】2019年10月13日(日)
【開催地】ハワイ カイルア・コナ
【競技内容】スイム3.86km バイク180.2km ラン42.2km
【結果】女子年代別25-29 15位/56人 総合タイム 10:46:48


【レースギア】
ウェア      :キャンニバル レディース プロ エリート スリーブドゥ トライ スーツ JAPAN LIMITED ネイビー
ウェア      :キャンニバル レディース スポーツトップ ブラック
サンバイザー   :キャンニバル サンバイザー ブルー
ヘルメット    :GIRO AEROHEAD マットホワイトシトロン
【ブリーディング】
ウェア      :キャンニバル レディース サイクルレースジャージ TROPICAL ICE
ウェア      :キャンニバル レディース ビブショーツ TROPICAL ICE
ウェア      :キャンニバル レディース スポーツトップ TROPICAL ICE


IRONMAN World Championship In KONAレースレポート

IRONMAN HAWAII世界選手権に出場するためにハワイ島Konaにやってきました。アロハ~!




社会人になり本格的にロングのトライアスロンに参戦するようになってから
憧れの舞台だったIRONMAN世界選手権。
幸運にも予選のIRONMANスイス大会で本大会への出場資格を得ることができたため、
希望に胸を膨らませて挑みました!

レース当日まで、アスリート登録をしたり、最終調整やコース確認をしたり、
なんだかんだ会場周辺でバタバタと過ごしていた。
ふと周りを見ると、走っている人も自転車を漕いでいる人も他の大会より明らかにレベルが高いのが分かる!
Pro選手は男女合わせて約100人、AgeGroupは各年代合わせて約2000人!
世界中各地で開かれた予選大会で権利を獲得した人だけが出られるだけあって、
トライアスロンへの熱気がほかの大会とは別格!

いよいよレース当日!!大量のペンネを食べて、エネルギーを充填はばっちり!
忘れ物をしないように気を付けて泊まっていたシェアハウスを発つ。
前日までのナーバスな気持ちは吹き飛んで、全身に気合が満ちているように感じた!
よし、やるしかない!レース会場に着くと、
ミーハーな私はPRO選手が近くにいるだけでテンションが上がってしまった。
いつもInstagramやYoutubeで見ている選手が目の前にいる!!
液晶の前で見るよりも、実物はさらにかっこいい!PROとAgeGroupと戦うフィールドは異なるけれど、
同じレースを走ることができるのはファンにとって、とても嬉しいし楽しいことだ。





今年から導入されたウエーブスタートによって、スタートは全員一斉ではなく年代別に時間が分かれて決められている。
私のスタート時間は7:15。
スイムコースは1.9㎞先にいる船を折り返す1周3.8kmのコース。
フローティングスタートなので、スタートラインに浮かんでホイッスルが鳴るのを待つ。
いよいよコナの長い1日が始まるぞ~速そうなオーラのある女子選手の隣をキープして・・・そしてホイッスルが鳴った!

スタートして間もなく3名ほどのパックができた。いいパックに乗れたみたいで一安心。
そのまま少し泳ぐと私の1つ前のウエーブでスタートした男子選手に追いついた。
このタイミングで追いつくということは、泳力差のある選手たち。
お互いの為にも後ろから追突しないよう、ヘッドアップを繰り返し、無駄な接触はなるべく避けて進んだ。
もちろん同じウェーブのパックの選手たちは逃さないように、
前方だけでなく、左右、そして時には後ろと、周囲の状況を確認しながら集中して泳いでいた。
その甲斐もあり、終始落ち着いて、パックの中でエネルギーを節約しつつスイムを終えることが出来た。

トランジットを出て、バイクに乗車。





バイクは会場周辺を10kmほど漕いだあと、QueenKというハイウェイをひたすら進み、
折り返して、ひたすら戻ってくるコース。
コースのプロフィールを見ると、急な長い坂も少なく楽なコースに見えるけれど、
暑さとKonaWindと呼ばれる強風がコース上を吹き荒れる為、誤魔化しの効かない厳しいバイクコースなのだ。

でも気持ちを強く持ち、今日は精一杯がんばるぞ!
練習では割と調子が良かったので、意気込んでスタートしたけれど、
5㎞も過ぎない地点で特製ジェルの入ったボトルを落としてしまった!まさかのハプニング!!
180㎞分のエネルギーが入った大切なボトルだから、急いで取りに戻った。

しかし、落とした時に自分の後輪で踏ん付けてしまったらしく、中のジェルは全てこぼれてしまっていた。
どうしよう、いろいろ考えていたエネルギーの補給戦略が白紙になっちゃった。
これから大丈夫かな、とまだ始まったばかりなのに不安な気持ちでいっぱい・・・
とはいえ、どうしようもないので、とりあえず漕ぎ始める。

ちょっと手間がかかるけど、エイドでジェルを取って補給するしか方法はない。
慌てずに行こう、と冷静になってQueenKに入る。
大丈夫、朝食べた大量のペンネが助けてくれる!
冷静になって漕ぎ進めて行くけど、もうひとつ問題発生!
今日はなんだか思ったよりパワーが出ていないな・・・
いつものように漕いでいるのにパワーメーターの示す値は少し低く、目標値をキープしようとすると少しきつい。
調子が良かったのに残念だけど、ここは目標修正し、少しターゲットの出力を下げて進むことにする。
案の定、多くの女子選手に抜かれる。同じ年代だろうな、と思う選手にもかなり抜かれたから悔しいけど、
まだまだ力不足なのは承知だから、自分のペースをしっかり守る。





また、名物KonaWindにも悩まされた。
横風になるとエアロポジションが取っていられないくらいで、
横に流されてしまう。落車だけはしないように、と気を付けるほどだった。
バイク途中でPROの男子選手の先頭集団とすれ違った。
繰り返しになるけど私はミーハーなので、ものすごいスピードですれ違ったけど、
誰がトップにいて、パックのメンバーは誰なのかすぐに分かった。
めちゃくちゃ面白い展開になりそうだ!
ああ、実況中継を見ながらレースしたいくらい!!と考えながらも最後まで気持ちを切らさずに無事にランに入れた。
ハプニングがあったエネルギー補給面も、
確実にエイドで受け取ることを重視してゆっくり通過することで無事にクリアできた。

パワーが低かったため目標よりも時間がかかってしまったけど、
大崩れせずにバイクパートを終えることができたからよかった。
ランはAlli Driveを10kmほど走ったあと、バイクコースと同様にQueenKを走る。
少し起伏があって暑さもあるから過酷なコースだ。





トランジションを出ると、あまりの応援の盛り上がりに
思わず180㎞漕いだことを忘れるくらい嬉しくなって、笑顔でランスタート!
そうだ、せっかくの大舞台!何より楽しんでみよう、と笑顔で走ることにした。

相変わらずのスロースタートだけど、いつもより脚が動く気がするぞ!
気にしていた暑さも氷とスポンジで冷やして対応できているし、
幸運にも曇り始めたことで暑さが和らいだ。

いつもならエイドで「Food」コーナーは素通りして、
ジェル、水、スポーツドリンク、塩くらいしか摂らないけど、
あまりにもオレンジが美味しそうで、お腹痛くなる危険性を無視して食べてみた。
見た目以上に美味しかったオレンジ。
今までの人生で食べたオレンジの中で一番美味しかった。

オレンジのおかげもあって、いつもより前向きな気持ちで走ることができた!
ランのラスト2kmはパーティー会場の中を走っているような気持ちになった。
多くの観客がみんな応援してくれて、あと少しだ!君の笑顔最高だよ!
と音楽を流して踊りながら応援してくれる。





ああ、長い旅が終わる!
きっとこのFinishラインを通る時の最高な感覚が「もう一度Konaへ出たい」に繋がるのだろう。
もっと強くなって帰ってきたら、もっと早くゴール出来たら、きっともっと最高なんだろうな。
予選大会のスイスより感覚が良かったことと、
IRONMANの長いレースの中で気持ちを切らさずにいられた部分は小さな成長のはず!
この経験を大きな成長へ繋げられるようにしていきたいな。
今回はぎりぎり日の入り前のデイタイムゴール。
夕焼けがきれいな時間に10:46:48(年代別15位/56人)でゴールしました。





今年のKonaは自分の実力を出し切るレースが出来ても入賞するにはまだ力不足だと思っていたし、
結果は自分の目標に達することができなかったのでので、不甲斐ないし情けない気持ちがある。
けれどもっと強くなって戦えるようになりたい!
という前向きな気持ちの方が大きいので、必ず次に繋げたいと思います!
目標への距離感が分かったことで、危機感もあるけれど、
日々の小さな小さな成長を積み重ねることは、
必ず大きな成長に繋がると信じているので毎日を大切にしていきたいな。

次のレースはなんと2週間後!来年のコナの権利を獲得するためにIRONMAN MALAYSIAに出場します!
しっかり疲労を抜いて、今回のコナで得た経験を活かし精一杯頑張ってきます!

読んでくださりありがとうございました。
今後ともご声援を宜しくお願い致します!



稲葉 明子(いなば あきこ) (森永製菓)
1993年生まれ
特徴:トライアスリート×フルタイムワーカーとして
IRONMAN WorldChampionship AgeGrupe25-29部門 優勝を目標に両立に励む

両親が共にトライアスロンをしていた影響を受け、大学入学と同時にトライアスロン部に入部。
始めた当初は初心者でショートディスタンスを完走することが精一杯であった。
しかし先輩が日本最高峰の舞台である日本選手権お台場大会で活躍する姿に魅了され、
ショートのエリートへ挑戦。仲間と共に練習三昧な大学時代を過ごした。
その後、森永製菓㈱に就職。職場の手厚いサポートと理解に背中を押され、競技続行を決意。
ミドルディスタンスへの挑戦を始めるとロングの魅力にみるみる惹かれ2019年よりロングへ転向。
初出場の宮古島大会にて3位入賞を果たし、順調に2019年シーズンをスタート!
仕事に、トレーニングに、日々奮闘中!

<主な成績>

SD:ショートディスタンス、SP:スプリントディスタンス、MD:ミドルディスタンス、LD:ロングディスタンス

2015年
6月 関東選手権(SD) 6位
10月 日本選手権 お台場大会 (初出場)(SD) 25位
10月 日本学生スプリントトライアスロン選手権(SP) 優勝

2016年
9月 村上ASTCトライアスロンアジアカップ(SD)9位
10月 日本選手権 お台場大会(SD) 32位
10月 日本学生スプリントトライアスロン選手権(SP) 優勝
2016年 最高ジャパンランキング(SD)21位

2017年
11月 IRNMAN70.3 Thailand(MD) 年代別3位

2018年
6月 五島長崎トライアスロン選手権 エリートの部(MD)優勝
7月 ITU マルチスポーツ世界選手権ロングディスタンス エリート女子(MD) 15位
9月 日本ロングディスタンス選手権 佐渡大会(MD) 2位
10月 日本選手権 お台場大会(SD) 31位

2019年
4月 全日本ロングトライアスロン選手権 宮古島大会(LD) 3位
5月 ITU マルチスポーツ世界選手権ロングディスタンス エリート女子(MD) 16位